電池メンタル社会人日記

映画やライブの感想書きます

2ndスパンクハッピー・レトロスペクティヴ <DJ premier jour>

4/12(金)代官山UNIT(開演19時半)

 

菊地成孔のことを知ったのはいつからだろう。多分それは大学3年か4年くらいのことで。初めて触れたのは何がキッカケだったんだっけ。ゲンロンの批評再生塾の講評会で審査員をやってる動画だろうか、ゲンロンで佐々木淳と対談してる動画だろうか、豪の部屋のゲスト出演だろうか、違法アップロードされた情熱大陸だろうか、松本人志の映画批評が載った本だろうか、最近のエッセイ集だろうか、『スペインの宇宙食』だろうか、DCPRGの「MIRROR BALLS」のライブ映像だろうか、ラジオでの山下達郎の「SPAKLE」の歴史に残る前口上だろうか、違法アップロードの「普通の恋」を聴いて狂わされてずっとスパンクハッピーに対して恋焦がれながら渋谷ツタヤで借りたアルバムを聴き続けたときからだろうか——

昨年、2ndスパンクハッピーのサブスク解禁という大ニュースがあってからずっとウキウキで、このイベントが発表されてから絶対行こうと思ってた。

 

ほんとはアートスクールとヘルシンキの対バンのチケットを先に取ってたんだけど、スパンクハッピーは何よりも優先されるのです。最近ハマっているPK Shampooを聴きながら会場へ。会場内は仕事帰りのおじさんも多かったし、同時に若い女性も多かった。なんだかんだで前から3列目の上手でスピーカー真ん前に位置取れた。開演時間になると菊地さんがぬるっと登場。現在の音楽はボカロやAIによるものになったが、岩澤さんの歌詞の意味も理解せず、感情を乗せずに歌うボーカルはまさに現在の音楽を20年前に先取ったものだったと宣言、そして菊地は自身のことを絶対に踊らせてしまう音楽家だと宣言してDJスタート。

 

1曲目は大好きな「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」。 「資本主義はきっと恋愛よりも難しいのね 」って歌詞が印象的、というか改めてDJで聴くことによってスパンクハッピーの歌詞の特異性というか、今だからこそ通じる古びなさを感じる。菊地が歌詞に合わせた振り付けをしながらDJするのが可愛らしい。前半戦最後の曲は これまた大好きな「Theme song under the cloudy heavens」。今回のためにリミックスされたことによって、よりぶち上げ感あって、客も気合いが入った感じで手を挙げ盛り上がる。「私はスパンクハッピーあなたをさらいに来た」という歌詞はまさしく、僕らはスパンクハッピーによってさらわれにきたはずだか。これ以上低音が響くスピーカー前の位置いると何か支障が出そうなので後方に退避。

 

ハーフタイムショーとして、 電影と少年CQのルアンと、アーバンギャルドの浜崎容子がそれぞれ3〜4曲ほど歌う。浜崎は「フォーエバー・モーツァルト」をカバー。後半戦が始まりバーカン前からフロアは戻ろうとするがもうパンパンでマジでゲキ狭の後方しか残ってなくて、あーさっきの場所めっちゃ恵まれてたんだなと思う。今日は600人ソールドアウトしている。スパンクハッピーを好きな人がそれだけ集まっているのがなんだか面白い。PA卓の隣にいたのだけど、あそこでノリノリだったのは松永天馬さん??後半戦は2人が1番初めにレコーディングしたという 「インターナショナル・クライン・ブルー」からスタート。この曲はアウトロがたまらん。「Vendome, la sick KAISEKI」の台詞調の歌詞がVJによってスクリーンに映し出されると、その毒々しさにやられそうになる。「SWEETS」は当時の2人の写真が映し出されてポップな曲調とあいまって可愛い空間に。クライマックスは「フロイドと夜桜」→「PHYSICAL」→「拝啓ミス・インターナショナル」の3連発でブチ上げ!!特にクラブ空間で聴く「PHYSICAL」なんかたまらず頭をガンガンに振っちゃう。「拝啓〜」は途中で曲が止まり、客が「I LOVE YOU」と連呼しながら大合唱するパートがあって愛おしかった。ここで、27曲しか歌ってないボーカリストなんて他にいないというMCを挟んでラストは未発表曲だった「ethic」でシメ。スパンクハッピーの楽曲をこうして改めて聴くとテクノ感あるトラックに加えてギターやベースやサックスなど楽器もちゃんと凄腕の技術が詰まった形で鳴り響いてるのが伝わってくる。次回のライブについての説明もあったけど、今いちイメージがつかないし、こんなに楽曲が素晴らしいのに、この復活イベントは次回でほんとに最後らしい。それはほんとに悲しいし、「普通の恋」がイベントで聴ける未来はあるのでしょうか。

 

〈セットリスト〉

1.ジャンニ・ベルサーチ暗殺
2.EINE SYMPHONIE DES GRAUENS
3.FRENCH KISS
4.アンニュイ・エレクトリーク
5.chic/シック
6.Theme song under the cloudy heavens
7.インターナショナルクラインブルー
8.ヴァンドーム・ラ・シック・カイセ
9.エレガントの怪物
10.SWEETS
11ホーチミン市のミラーボール
12.フロイドと夜桜
13.Physical
14.拝啓ミス・インターナショナル
15.ethic

 

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