電池メンタル社会人日記

映画やライブの感想書きます

オードリーと武道館と僕

今僕は大学1年生だ。高三の夏、受験勉強と共に聴き始めたのがオードリーオールナイトニッポン。塾の休み時間に読んだ『社会人大学人見知り学部卒業見込』が面白くて心にもグサッと刺さった。そこからよりオードリーが好きになった。2018年春、ラジオにてオードリーの武道館ライブが発表された。僕はそんなに人が集まるとは思えず余裕で行けると思っていた。が、現実は全く違った。10月の一次先行、11月の二次先行どちらも落選。その後バックスタンド席が発表されて12月の三次先行、1月の四次先行のバックスタンド席もどちらも落選。1月の一般発売は即完。ライブのチケットの争奪戦に参戦したのはこのライブが初めて。スマホが全く繋がらず、やっとの思い出一瞬結構ページが進んで文字を入力するとき手が震えていた。チケットが取れないのがこんなに辛いとは思わなかったしこんな落胆するとは思わなかった。そこから毎日ぴあのページを眺めていたら戻しが発生していて座席を購入することができた。チケットは武道館の1万2000人とライブビューイング1万人*1が売り切れた。

 

ライブ前日、ワクワクしすぎて眠れなくなった。そんなイベントは初めて行ったニコニコ超会議と初めて行った神聖かまってちゃんのライブ以来だ。物販はクリアファイルくらいはせめて買いたいなと思っていたが、会場に着いた15時には完売していた。武道館周辺にリトルトゥースのバックやTシャツを身につけた人がたくさんいてなんだかおかしかった。僕の周りの友達にはラジオを聴いてる人なんていないので、架空の存在だと思っていたリトルトゥースが可視化されただけでなんか面白かった。ラジオなんて1人で聴くものだからぼっち参戦が多いのかと思ったけど結構友達連れやカップル(!?)が多くて驚く。もちろん僕はぼっち参戦。座席は2階席。武道館に来たのは初めてだったので席に着くとかなり急で高くて意外と怖い。開場BGMの選曲が面白い。チャットモンチーの「風吹けば恋」、CHA−LA HEAD–CHA−LA、キッズリターンのテーマ、Xファイルのテーマ、日向坂の曲など。注意事項のナレーションも付け焼き刃の皆さん(青銅さん、石井さん、奥田さん)がやられていた。奥田さんは武道館に合わせたキン肉マンのことを喋っていて前の男性が大ウケしていた。

 

まずはVTRから開始。クリーピーナッツの「よふかしのうた」が流れてオードリーオールナイトニッポンの説明が入る。<オープニングで40分以上喋る。曲をかけない。ガチャ切りをする。>次に青森〜愛知〜福岡の行程、客が7人のトーク(2005年)から始まったことが映し出されVTR終了。オードリーがアリーナ席から登場。若林はプロレスマスクを被って入場(毎回はけてブースに戻るとリングに上がるような仕草をしてたのは若林のプロレス愛故か)、春日はゆっくり歩いて手を振り登場。舞台にはラジオブースのセット。若林の岡田マネの話からスタート。みんなリトルトゥースなのかと疑い始め「お弁当に〜」と振ると「グーーーット」と客がレスポンス。若林の着てるパーカーには自分と相方の親のイラストが描かれていて客が大爆笑。ロクでもないリトルトゥース。このイベントは単独お笑いライブではなくラジオのイベントだと強調して「内輪ウケを本気でやりに来てますから」と若林。そこから通常放送と同じく30分のオープニング。ここ最近の武道館公演した有名人リストを見て上か下か決めるくだり、若林の「コンビ組んでくれてありがとう」発言。復ビンしそうになると会場のボルテージは上がる。

 

オープニングが終わるとCMが入る。今回はいつものラジオと同じ構成なのでCMも同じタイミングで入る。CMには垣花アナのAIスピーカー、宗岡芳樹のTBSラジオ宣伝、岡田マネとヘイたく、ビビる大木、朝井リョウクリーピーナッツなど。次に若林のトークゾーン。父親の骨壷をどうするかをイタコに相談した話。次に春日のトークゾーン。フライデーに載ったことで彼女と旅行に行き互いの家族と食事会した話。どちらも家族の話で渾身のやつを武道館にぶつけてきた感じ。武道館で聞く骨壷の話やガンガンの下ネタはより面白く感じた。春日がオチで「付き合ってる」と言った瞬間、場内で「ヒュー」の嵐になり若林がペットボトルの水を床にブチ撒いたのが笑った。

 

続いてひろしのコーナー。武道館玉ねぎを被った春日にボールを投げつける若林。だんだん荒れ出しバレーボールマシンや直接殴りにかかり最後はドロップキックで締め。途中でクミさんが登場したりスクリーンに映る春日の両乳首で場内大爆笑したりと大いに盛り上がった。ここで15分休憩が入り後半戦へ。後半はショーパブゾーンからスタート。まずはバーモンド秀樹とビトタケシが登場。ビトタケシが歌う「浅草キッド」に場内は聞き入ってた。お世話になったショーパブの先輩を出すあたり義理堅さが伺える。続いて松本明子が「オリコン131位の〜」という触れ込みで「オスメスキッス」を熱唱。ボディビルポーズを決める春日と最後はキス。次にシークレットゲストの梅沢富美男が「夢芝居」を熱唱。そこにMCwakaが乱入。ガンガンにラップを重ねてく。近くの客がフリースタイルダンジョンと同じテンションのノリで盛り上がってた。最後は梅沢富美男にケツバットで金テープ発射。こんなテープ発射今後の武道館で2度とないだろうな。春日と若林どちらも特技を使った素晴らしいコーナーだった。

 

続いてブースセットが復活して死んでもやめんじゃねーぞのコーナー。武道館に下ネタと笑い声がこだまする。ここ最近の放送でカスミンファンメールが超面白かったデレクジーカーさんのメールが読まれいつもと変わらぬラジオの感覚に。そこからエンディングトークになり2人が退場。スクリーンにはスタッフのエンドロールとトークに出てきたイタコと春日家の写真。その後アナログフィッシュ「SHOWがはじまる」の出囃子と共に漫才衣装のオードリーが登場。センターマイクへ向かう2人の姿に最近見た「芸人交換日記」がダブった。

 

「芸人交換日記」とは鈴木おさむ原作の小説で2011年に舞台化され若林と田中圭漫才コンビ役として出演してる。僕はこの舞台のDVDを見て泣いたのだが(映画とか見て涙を流すなんてほぼ無いのに)それは劇中の設定(弱小事務所で10年目で全く売れない)がオードリーとダブるからかもしれない。今はもう閉鎖された若林のブログにこんな文章がある。

 

「だれも助けてくれなかった。でもこの方法しかなかった。この漫才が受け入れられなかったら死のうと思った。家も追い出された。何度も解散しようと思った。その度になぜか泣いて引き止めるのは春日だった。コツコツ頑張って少しずつ露出が増えてきた。どんずまって地球割れろと思った。春日はK-1に挑戦した。ある日おもしろ荘に出ることになった。運命の歯車は回り始めた」(おもしろ荘オードリー初登場の動画のコメント欄より)

 

この文章を読むと感動すると同時に元気が出る。クラスで面白い奴から声かけて10番目だった春日と組んだ若林。これは本当なのか冗談なのか照れが入ってるのか分からないしどうでもいいけどこうしてコンビを組んだ2人が芸能界を駆け抜けて武道館で漫才をしてる事実が僕の目の前のそこにある。漫才は春日が超能力が使えるということで魂を抜いて正面の1階席に投げる。そんな魂を抜く春日を使って天国の若林の父親をイタコのようにおろす。柔らかい脇に魂を入れて。最後は春日と若林の魂を交換することになる。本当に最高に笑った。内容が中学生ノリなのもいつものラジオの感じでオードリーの真骨頂だった。約30分の漫才(翌週の放送で実際は24分の漫才だったことが明かされる)が終わるとそこからラジオ10年間を振り返る音声と映像がカラーボトルの「10年20年」と共に流れる。「IPPONグランプリ」で優勝する若林や「すべらない話」でMVSを獲る春日が映し出されるとオードリーの凄さが実感できる。「日曜芸人」で号泣する若林や「ヒルナンデス」で椅子を破壊するオードリーで大爆笑の会場。そこから2人が再度登場して拍手喝采の会場に手を振る2人の姿はスターだった。

 

アンガールズがラジオで同世代の芸人でスターとしてオードリーを挙げて「春日には華がある」と話してた。千鳥やバカリズムも春日のスター性を褒める。今年の年末年始、僕がテレビで確認しただけで春日は「フレンドパーク」「笑ってはいけない」「正解は一年後」「旅猿」「有吉の壁」「出川の充電旅」と出まくっていた。2人はずっとテレビに出続けてるスターだ。『藝人春秋』の解説で若林はビートたけし松本人志にはなれないことを自覚することで新しい人生が始まったと書いている。僕が中学生の頃ダウンタウンが最強の芸人で支えになっていた。こんな好きな芸人はこれ以上ないと思っていた。高校生になってオードリーのラジオを聞くまでは。僕の中ではダウンタウンとオードリーが同じくらい好きで同じくらい心の支えでどちらも偉大なスターだ。それは松本人志が武道館で行ったラジオイベントの15年後に同じく武道館でラジオイベントをしてるオードリーが証明している!

 

武道館公演の関係者席には沢山の人が来てたらしい*2。花もたくさん来ていた。クリーピーナッツは3月5日のラジオで、朝井リョウは3月17日のラジオで熱く語っていた。本当に楽しい3時間半で今年これより楽しいことはもう無い気がする。オードリーからは粘り続けることの偉大さに気付かされたし今また黄金期でこれからずっとスターであり続けるだろう。誰かに気持ち悪いなってツッコまれるような駄文ですみませんでした。

 

*1:全国の映画館41館で沖縄以外は完売

*2:朝井リョウ加藤千恵西加奈子中村航羽田圭介、佐久間宣行、藤井健太郎、水卜アナ、徳島アナ、滝アナ、梅沢アナ、弘中アナ、磯貝アナ、吉田アナ、佐藤栞里、日向坂46、miwa、クリーピーナッツ、ザ・ギース、ラブレターズルシファー吉岡、TAIGA、中川パラダイス、谷口さん