情報
制作 CloverWorks
監督 増井壮一
脚本 横谷昌宏
期間 2018年10月〜12月
話数 13話
声優
感想
思春期症候群とは思春期特有の思い込みで世界が変わってしまう病気(現象)のこと。1話〜3話は空気の読み合いによって起こる思春期症候群。桜島はモデルをやっていてクラスメイトからは無視をされている。ある日からまるで透明人間のように認知されなくなり、認知されない範囲が拡大していた。梓川は図書館でバニーガールの格好で実験している桜島と出会う。「シュレーディンガーの猫」のように観測者がいて初めて存在が確定することが分かる。まるで桜島は「猫」で学校は「箱」になっていた。無視する空気は感染して学校を飛び出し地域に広まっていた。また、眠ると意識が途切れて無視の空気に感染することも判明する。梓川は必死に寝ないようにしてノートに記録する。蔓延する無視の空気感よりもの愛が上回れば桜島の存在を確定できるのでは。梓川は校庭に出て叫ぶ。「もう空気なんて読むかバカバカしい。桜島が好きだああああああああーーーーーっ」桜島の存在は確定した。
4話〜6話は仲間意識によって起こる思春期症候群。友達が好きな人から告白された少女は同じ日をループしてしまう。「ラプラスの悪魔」*1が例えで使われる。7話〜8話は承認欲求による思春期症候群人格が分かれてドッペルゲンガーが現れる。9話〜10話は才能への嫉妬による思春期症候群。姉妹で体が入れ替わってしまう。*211話〜13話はイジメによる思春期症候群。記憶喪失になった妹の梓川かえで。人格が変わっている。外に出るといきなり血がにじむのは、引きこもりの人が外に出る恐怖を可視化して表現として画期的だ。
このアニメのタイトルは素晴らしい。もちろん『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のオマージュなのだが、タイトルで気を引くことはすごく大切だ。タイトルのオマージュから分かるようにSFだ。異常現象に理屈がつくSFはやっぱ好き。このアニメがすごいのはSFと青春の合体具合がちょうどいい。特に3話クライマックス、校庭で愛の告白が青春定番シュチュエーションとSF的理屈の二重に重なってるしカタルシスもあり素晴らしい。劇場版も楽しみだ。*3